歯周病治療
歯周病治療
当院は日本歯周病学会の「歯周病専門医」の資格を持つ歯科医院です。歯周病専門医は、日本歯周病学会が認定する歯周病の専門資格で、全国に約11万人いる歯科医師の中で、およそ1%程度しかいない歯周病のエキスパートです(2023年時点)。
専門医の資格を所得した後は数年ごとに更新し続けなければなりません。そのため我々は常に新しい情報を入手し、専門知識の継続に力を注いでいます。
歯周病治療は定期的に歯石を除去するだけでは治りません。当院では”土台づくり”に相当する歯周病治療に力を入れ、治癒させることを目標としております。再生治療、咬み合わせの回復治療を含めたとして総合的な歯周病治療計画をご提案します。最終的に患者様とご相談のうえ、治療を進めます。
歯周病(歯槽膿漏)とは、歯と歯茎のすき間(歯周ポケット)から細菌が侵入し、歯肉に炎症を引き起こしたり、歯を支える骨(歯槽骨)などが溶けたりする病気です。歯を失う原因として、最も多くの割合を占めます。
むし歯と異なり痛みがなく、気づかないうちに進行します。歯周ポケットが深くなっていくと、歯肉が腫れたり、歯がグラグラしたりして、ものが噛めなくなり、歯が自然に抜け落ちるほど重症になることもあります。
歯周病は大切な歯を奪ってしまうだけでなく、全身疾患とも深い関わりがあることが指摘されています。歯周病菌が口の中から血流に乗って全身をめぐることで、糖尿病や動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、早産などを引き起こしてしまう可能性があります。
このような症状がある方は歯周病の可能性があります、お早めの受診をお勧めします。
歯周病は一般的に次の段階を経て進行していきます。
健康な状態
薄いピンク色の歯肉で、歯と歯茎のすき間(歯周ポケット)がなく引き締まっています。ブラッシング時に出血しません。
軽度歯周病
歯茎に炎症が起き、歯周ポケットが深くなります。痛みはまだありませんが、ブラッシング時や硬いものを食べると出血することがあります。
見た目の状態
赤く歯茎が腫れあがり、歯と歯肉との間にプラーク(歯垢)がたまります。
中等度歯周病
歯を支える顎の骨に炎症がさらに進んだ状態です。炎症が慢性化し骨が溶けはじめます。歯周ポケットが深くなり歯がグラつきはじめます。口臭もあり、歯が浮いたような感じもあります。
見た目の状態
全体的に歯肉が赤く腫れあがり、変色がひどくなります。
重度歯周病
歯を支える骨がほとんど溶けています。歯周ポケットがかなり深くなり、歯のグラつきも、歯根が露出することでさらにひどくなります。口臭がきつくなり、膿も出て、放っておくと歯が抜け落ちてしまいます。
見た目の状態
歯肉は赤紫色で、歯と接している歯肉がさらに腫れあがります。歯と歯の間が広がり、食べ物もよく詰まるようになります。
歯周病の原因は、歯に付着したプラーク(歯垢)であり、プラークを除去しなければ歯周病の進行を食い止めることが出来ません。そこで治療では、歯周病の元となるプラークや歯石を取り除く「歯周基本治療」に主眼が置かれます。患者様ご自身が行う「セルフケア(ブラッシング)」と、歯科で行う専門的な「プロフェッショナルケア」の両軸で進めます。
「歯周基本治療」は、軽度の歯肉炎の段階でも、中度、あるいは重度に進行している場合にも共通する治療です。歯肉炎や軽い歯周病であればプラークや歯石を取り除くプロフェッショナルケアを主体とした歯周基本治療だけでも治ることもあります。一方、歯周基本治療だけでは取り除くことができない歯肉の奥にたまった汚れなどには、「歯周組織再生療法」が検討されます。
治療後、再検査で改善が確認できれば、メインテナンスに移行します。
はじめに、お口の中の状態や歯周病の進行度合いをチェックします。プラークの付着状態、歯肉の炎症などを調べるとともに、レントゲン撮影で目に見えない歯を支える骨の状態を確認します。
ご自身でもしっかりと口の中の管理をできるようになることで治療の効果が増します。現状のブラッシングでどこが磨けていないのかをよく理解していただいたうえで、効果的なブラッシング方法をご提案します。
歯みがきでは取り切れない汚れを超音波スケーラーやキュレットスケーラーを使用して取り除きます。歯周ポケットの内部に付着したプラークや歯石を除去し、仕上げに歯の表面をなめらかにみがいて、汚れの再付着を防ぐ治療です。
ステップごとに再度の検査を挟んで治療効果を確認します。この結果をもとに次に継続して行う治療を検討します。
必要に応じて歯周病で失われた骨や歯肉を再生する治療があります。代表的な治療法として「歯周組織再生治療」があります。この治療法がうまくいけば、他院で「この歯は抜かなければなりません」と言われてしまった重度歯周病でも抜かずに保存できるケースも出ます。ただし、適応症は正しく選択せねばなりません。
咬み合わせの問題は、歯に加わる力のバランスを変化させ、それが歯周病による歯周組織破壊を助長させる可能性があります。当院では歯周病の治療として被せ物やインプラントを用いてしっかり咬み合わせができるようなご提案をします。
歯周病は再発しやすい病気のため、メインテナンスにより定期的に口内や歯の周りの組織をチェックしたり、PMTCを受けたりして、口内を良い状態を維持し、歯周病の再発を防ぎます。ご自宅でのセルフケアと併せて数カ月に1回のメインテナンスをお勧めします。