静脈内鎮静
静脈内鎮静
「歯科治療が怖い」「お口いっぱいに物を入れられるのが苦手」「体調が気になって歯科治療を受けることが不安」など歯科治療が苦手な方に、リラックスした状態で治療を受けていただくためのお手伝いをする麻酔方法です。
当院では静脈内鎮静法の利用を含めた診療のカウンセリングに対応しております。お気軽にご相談ください。
静脈内鎮静法とは、点滴から鎮静作用のあるお薬を投与することで持続的にうとうとまたは入眠した状態にする麻酔法です。緊張や嘔吐反射等の有害反射を抑制し、リラックスした状態で治療を受けていただくことができます。
治療中は注水でお水を使うことも多いため、誤嚥の危険を回避するために適度な嚥下反射を残す必要があります。過度な緊張が取り除かれ、傾眠(お口は開けられるけど、うとうとしている)あるいは入眠状態を維持しつつ、治療の手順をみながら麻酔深度を調節していきます。
また、笑気吸入鎮静法(笑気麻酔)に比べて、確実で安定した鎮静状態が得られ、治療時のイヤな記憶が残らない健忘効果が得られるという利点もあります。
全身麻酔と違い、痛みを消失させる作用はありません。そのため、治療は局所麻酔をしてから行います。
静脈内鎮静法は、麻酔薬を使用します。薬に対する感受性や過量投与によって、呼吸や循環が過度に抑制されてしまう可能性もあり、緊急時に適切に対応ができることが必要です。そのため、バイタルサインを観察するモニターがあるか、なにより安全な静脈麻酔管理ができる歯科医師がいる必要があります。
当院では日本歯科麻酔学会認定の専門医が静脈内鎮静をご担当します。日本歯科麻酔学会認定の認定医は日本全国で1500人弱、専門医は400人弱(2024年現在)と非常に少ないです。そのため、どこの歯医者でも「はい、すぐにできます」というわけにはいかないのです。
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カウンセリング
不安を取り除くためにしっかりとお話を伺い、既往歴や内服薬の確認や当日の注意事項についてご説明し、同意をいただきます。
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モニター装着
治療を行う上で体を安定した状態に保つため、血圧計、パルスオキシメーター、必要に応じて心電図を装着して管理します。点滴の準備も行います。
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鎮静法の開始
患者様の様子を確認しつつ、緊張感を上げないように、少しずつ薬を投与していきます。少しずつリラックス状態が訪れます。
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治療中
患者様にとってはほとんど記憶されませんが、歯科麻酔医が寄り添い、酸素飽和度や血圧、心電図などを確認しながら安全に管理していきます。
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休憩
鎮静薬の効果が切れるまでゆっくりと院内でお休みください。
以下の方は本法を用いることはできません。
※ご自分で車やバイク、自転車などの運転をしてきた場合、本法はできません。
終了後は眠気やふらつきが残ることがあります。タクシーまたは付き添いの方の運転する車で帰宅してください。徒歩、電車、バスなどでお帰りになる場合も帰宅途中でふらつきが生じることがあります。少し休んでからご帰宅いただきます。
※安全のために、飲食の制限は必ずお守りください。
満腹の場合、嘔吐することがあります。誤嚥を防ぐために飲食の制限をお守りください。
6時間前まで食べることができます。
予約時間の2時間前まで、お茶かお水のみ飲めます。
*牛乳など乳製品は食事に入りますので飲まないでください。
*糖尿病の方は低血糖の恐れがあります。常用薬の内服についてご相談ください。
お薬手帳をご提示いただき、ご相談させていただきます。
本法は自費診療となりますことをご理解ください。